数ある皮革製品の中でも『皮革の宝石』『皮革の王様』と言われる、クロコダイル革。

ブランドとして立ち上げてちょうど10年が経過し、皆様のお力添えのもと東京クロコダイルはクロコダイル製品取扱いブランドとして幅広く認知いただけるようになりました。

私共「東京クロコダイル」は純日本製の製作スタイルを貫き、国内随一の製品バリエーションをご用意しております。

東京クロコダイルはもともと皮革メーカー、製品メーカーとして流通の中で上流に位置し、クロコダイルの原皮状態から生産工程を管理することにより、東京クロコダイルだからこそ可能な高品質で安定したクロコダイル製品をお届けすることを実現しました。

東京クロコダイル製品に使われるクロコダイル革は主にお腹の部分を使用しています。ご存知の通り、クロコダイルは通常腹ばいで生活しているのでどうしても傷がつきやすくなります。
東京クロコダイルは原皮から一貫して生産工程を管理している為、その中でも傷が少なく斑模様が美しいクロコダイル革を厳選し、高品質のクロコダイル革を使用した製品をお届けすることが可能なのです。

こちらでは、原皮の状態で輸入されがクロコダイルがどのような工程でクロコダイル「革」になっていくのかを工程を順を追ってお伝えしたいと思います。

目次
  1. 皮から革へ
  2. クロコダイルのなめしの作業
  3. クラストへ
  4. 染色前準備
  5. 革の染色
  6. 乾燥
  7. 染め上がり

1.皮から革へ

塩漬けの原皮状態で輸入されたクロコダイル

さまざまなサイズの革が日本に輸入されています。中には全長3m以上のものもあります。

日本に輸入されるものは大半が養殖のものになります。
また、ワシントン条約に基づき正規に輸入手続きをしたもののみのお取り扱いです
こちらは現在主流の背中の中心をカットしお腹部分をメインにしたバックカットとよばれるものになります。
原皮で輸入された場合、皮は痛みにくいよう塩漬けの状態です。冷蔵庫の中で厳重な温度管理の元保存されています。
海外と契約を行って輸入された原皮は基本的に直接染色工場へ送られます。

 

2.クロコダイルのなめしの作業1

薬品を使用し塩抜きを行います。

薬品を使用し塩を落とします

タイコと呼ばれる巨大なドラム型の樽

タイコと呼ばれる巨大なドラム型の樽。

薬剤を使って表面の塩を落とす作業です。
この状態の革をみると本来の姿に近づき生きているような質感になります。
気温や湿度により薬剤の効果に差がでてしまうので責任者がその日その日で薬の調合配分を変えています。
ここが皮から革にするための最終プロセスになります。表面の組織を変えて革としての下地つくりの作業をします。生きている頃は油分などで表面の繊維や組織が保たれるているのが死んでしまうと再生機能を失い皮が硬くなってしまいます。それを防ぐためにまた別の薬剤を使用し表面の成分を組み換え、腐らず滑らかに保てるようにするために行います。なめしや染色に使用されるこちらのドラムには今回約120匹分のクロコダイルが同時に鞣されました。

因みに・・・・
こちらのドラムは日本製厳密に設計され、釘一つ打たず板を組み合わせ、外から金属で締めるのみ。(簡単にいうと輪ゴムのようなイメージの働き)
工場の責任者曰く、日本製のドラムだからこそワニ革に与える負担も少ないのではとの事です。
こちらの機械にもメイドインジャパンの技術が活かされていますね。

4.クラストへ

クラスト状態となったクロコダイル

クラスト状態となったクロコダイル

クラスト状態となったクロコダイル

貼り付ける作業にも経験が必要となります。

鞣し工程が完了し、染色前の下地であるクラストと呼ばれる状態。やっと革と呼べる状態になりました。

こちらのクラストに仕上げた状態で海外から輸入されることもあります。

その場合は染色からスタートすることができ加工時間を短縮することが可能になります。
革は水につけると縮む習性があるので、なめされ染色前の下地であるクラストにした後、均一に染めあげる為に革を伸ばす作業が必要です。

ここで難しいのが、引っ張りすぎていても革の質を悪くしてしまうため、絶妙なラインを見極め、伸ばしていきます。きれいに板に打ち付けられました。

5.染色前準備1

鞣し終わったクロコダイル革

厚みを均一に整えます

革の厚みを均一にするため革の裏面を削る作業。
職人達が確認しながら少しずつ行います。
染色にベストな厚みに仕上げる為、作業は慎重に・・・。
失敗すると革に穴が開いてしまうため見極める経験や高い技術が必要です。

これから染色の準備作業に入ります。
染色した際に、ドラムの中で革同士がぶつかり合い、傷んだり、絡まってしまうためこのように結んでしまい、対策を取ります。
もちろんこれも手作業で1つずつ行っていくので根気のいる作業です。

7.革の染色

再度ドラムで下地のクラストを染め上げる。

再度ドラムで下地のクラストを染め上げる。

時間をかけしっかり染料と革を馴染ませていきます。ほんの少しの染料の配合などで完成のイメージが大きく異なるため希望のカラーに染色する為の調整ができるようになるまでたくさんの経験と知識を要します。

8.乾燥

クロコダイル革ができるまで

このように一枚一枚乾燥させていきます

染め上った革を乾かします。その後、板に打ち付け再度革を延ばす作業を行います。大変手間のかかる作業になりますが良質な染め上りに仕上げる為の重要な工程になります。

9.染め上がり

芯までしっかり色が入っています

約3か月かけて仕上げられ皮から革へ生まれ変わりました。
ここから等級分け、採寸などが行われ、出荷作業に移ります。天然皮革のため一枚一枚同じものはなくサイズ、質感が異なる為、単品で管理されています。サイズや等級によりバッグ、シューズ、ベルト、財布などの小物用と分けられます。

東京クロコダイルの製品ができるまで(後編)へ続く