こんにちは。
東京クロコダイルです。
私たちは、クロコダイルをはじめとするエキゾチックレザー製品を日本国内で製作し、お客様へ直接お届けしています。
「コストパフォーマンス抜群!」というありがたいお声を多くいただく一方で、時折いただくのが、こんなご質問です。
「なぜクロコダイルの財布って、そんなに高いんですか?」
たしかに、エキゾチックレザーに馴染みのない方にとっては、価格だけを見ると少し驚かれるかもしれません。
ですが、クロコダイル製品が“高価”なのには、それだけの理由があります。
むしろ、その背景にある価値が、世界中で長く愛され続けている理由と言えるでしょう。
今回は、「なぜクロコダイル製品は高いのか?」について、素材・加工・製作背景の視点から、わかりやすくご紹介します。
まず「原材料」が、そもそも別格です

スモールクロコダイル革
クロコダイル革の価格に大きく影響するのは、まず何よりも「原皮の希少性」です。
当ブランドでは、ナイルクロコダイルやポロサスクロコダイルなど、限られた種のみを採用しています。これらはCITES(ワシントン条約)の規制対象で、輸出入には厳格な管理があり、入手できる量も限られています。
さらに「模様(腑)」が整っていて傷が少ない個体は、より一層希少。こうした“上質な等級”の革は、世界中のハイブランドがこぞって買い付けに動くため、市場価格も年々上昇しています。
東京クロコダイルでは、長年培ってきた信頼関係を通じて、現地タンナーから質の高い革を安定的に確保していますが、それでも「良い革」は決して簡単に手に入るものではありません。
腑模様を“美しく見せる”取り方にこだわる
クロコダイル革製品を見ると、まず目に留まるのが「腑模様(ふもよう)」と呼ばれる独特のウロコの並びです。
この模様は部位によって大きさや形が異なり、特に腹部の中央部分は模様の整いがよく、仕上がりも美しくなります。
東京クロコダイルでは、この腹部のセンター部分を贅沢に1枚で使う「センター取り」を主力としています。
ただし、この取り方は革のロスが多く、コストも上がります。それでも見た目の迫力、品格、仕上がりの完成度がまったく違うのです。
私たちがセンター取りにこだわるのは、単なる“高級感”の演出ではなく、使う方が手にした瞬間に感じられる「満足感」や「所有する喜び」を大切にしているからです。
加工も、簡単ではありません
クロコダイル革は、原皮の質だけでなく、「どう仕上げるか」によって価値が大きく変わってきます。
たとえば、ツヤを抑えた「マット仕上げ」は革そのものの質感を活かし、落ち着いた印象に。
一方、「シャイニング仕上げ」は、瑪瑙(めのう)という天然石を使い、何十回も磨き上げることで生まれる、まるで鏡のような美しさが魅力です。
さらに当ブランドでは、国内タンナーによる手染めやグラデーション染色も取り入れており、革1枚1枚の個性に応じた加工を行っています。
これらは、機械だけでは決して再現できない“人の目と技”が必要な作業です。
だからこそ、仕上がったときの革の美しさには、格別の深みが生まれます。
“ただ縫えばいい”わけではありません
クロコダイル革は、表面に凹凸がありながらもデリケート。そのため、縫製には非常に高度な技術が求められます。
東京クロコダイルでは、すべて国内のエキゾチックレザー専門職人によって製作されています。
牛革とは異なり、工程も縫製機材も専用のものが必要となるため、製作工賃も高くなります。
それでも、私たちが国内縫製にこだわるのは、完成品の「精度」と「耐久性」に直結するからです。
長く使っても型崩れしない、開閉がスムーズ、細部のディテールまで美しい——そうしたクオリティを実現するには、やはり経験豊かな職人の手が欠かせません。
表革だけでなく、内装にも“本物”を
高級財布というと、どうしても表のクロコダイル革に注目が集まりがちですが、真の高級品とは「内側」まで抜かりなく作られているものです。
東京クロコダイルでは、内装に本ヌメ革やイタリア製レザー、さらには摩耗に強いシャンタンなど、用途や部位に応じて最適な素材を組み合わせています。
ポケットの深さ、カードの出し入れのしやすさ、角の処理に至るまで、日常使いの快適さも丁寧に設計。
見えない部分にも“使う人への配慮”を込めることが、私たちのものづくりの姿勢です。
「高い」には、それだけの理由がある
クロコダイル製品が高価に感じられるのは、ごく自然なことです。
ですが、その価格には、原材料の希少性、丁寧な加工、熟練の縫製、設計へのこだわり……目には見えない多くの価値が詰まっています。
東京クロコダイルでは、「価格に見合う価値」ではなく、「価格を超える価値」をお届けしたいと考えています。
それは、ただのラグジュアリーではありません。
日々の暮らしの中で愛着を深め、人生をともに歩む“道具としての美しさ”を大切にしたいからです。
もし「クロコダイルってどうしてこんなに高いんだろう?」と思われたときには、ぜひその背景にも目を向けてみてください。
そこには、職人たちの想いと、妥協なき品質へのこだわりがしっかりと息づいています。
以上、東京クロコダイルでした。