みなさんこんにちは、
東京クロコダイルでございます。

先日、地方にある高級皮革専門で加工されているタンナーへ行ってきました。

今回訪問した目的はシャークの染色の進捗状況の確認と生産スケジュールの打ち合わせでした。
写真を撮らせていただいたのでシャークスキンの加工についてご紹介したいと思います。

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シャークの原皮

 

こちらの原皮は宮城県の気仙沼港から届けられています。
気仙沼の加工工場は東日本大震災の津波により壊滅的な被害を受け、
そこから地元の方々の努力により徐々にですが復興しつつあります。
しかし、あくまで復興の途中で100%の生産量には回復していないのが現状です。

クロコダイルの工程でもご紹介したものと同様塩漬けの状態で到着します。
使用している種類はヨシキリザメです。
水揚げされた鮫は用途により部位に分けられ海の恵みとして無駄なく利用されます。

こちらのタンナーへは表面の皮のみが送られてきます。

表面はわさびおろしに使われるくらいですからざらざらの状態で部位の分別は手作業で行われますので多少身が残っている状態です。
これをなめしの工程の中で表面のざらざらと残った身の除去を行いながら加工をしていきます。

気候や原皮の状況などにより、薬剤の調合や加工する時間を臨機応変に変更する必要があり、膨大な知識と経験を要する作業となります。

 

染色用のドラム

染色用のドラムがかなりの勢いで回転しています

なめしの終わった下地の革は染色にムラが出ないよう均一に漉きをいれ、染色用のドラムに投入されます。
こちらも染料の調合や時間により色味が変ってしまいますので知識と経験が必要です。

 

板に張り付けられたシャークスキン

板に張り付けられたシャークスキン

板にきれいに打ち付けられ乾かしていきます。
この一枚が半身の状態になります。

革の平均サイズはシーズンにより異なります。また、オス、メスにより模様の細かさも違います。
ここから再度厚みが均一になるよう漉きを入れ革の完成です。
基本的に原皮の状態から革になるまで約60日を要します。

手間暇かけられたシャークスキンは非常に耐久性が高く、手触りも滑らかでシルキーな質感が特徴です。
また、天然の模様が美しく天然皮革特有の1点1点の模様が異なる『個性』という付加価値を堪能いただけます。

そうして完成した革は高級皮革製品に使われ、主にバッグ、財布、ベルト、時計ベルト、シューズなどになります。

並行してクロコダイルのなめし加工も行われていました。
先ほどのシャーク同様板に打ち付けて乾かす作業が行われていました。
こちらは原皮から染色前のクラストと呼ばれる状態までの加工になります。

 

きれいに伸ばした状態で板に張り付けていくクロコダイル革

きれいに伸ばした状態で板に張り付けていきます

この作業がおろそかになると革が縮んだり丸まってしまい
良質な製品づくりに支障が出てしますので意外と重要な工程です。

きれいに伸ばした状態で板に張り付けていくクロコダイル革

時間をかけて乾かします

風通しの良いスペースに板で立てかけられていきます。

クロコダイルの下地(クラスト)の完成

下地(クラスト)の完成です

クロコダイルで今回ご紹介した内容はあくまでクラストと呼ばれる下地の段階ですので
ここからまた時間とたくさんの行程を経て各色へ染色されていきます。

爬虫類皮革の加工できるタンナーは国内に数社しかないのですが
各社それぞれに歴史やポリシーがあり社長さんをはじめスタッフの方々はまさに職人!という感じの方ばかりです。

かなりシビアな仕事環境なのですが、その中で革一枚一枚と向き合う職人の姿はほんとにカッコいいです。
その集大成として完成した革を使い
お客様にお届けする製品をつくるわけですから当然妥協するわけにはいきません。

引き続き、みなさまにご満足いただけるものづくりに取り組んでまいります。

以上、高級皮革タンナー訪問エピソードでした。

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