クロコダイル
バッグ、財布、ベルトやシューズなどに使われる革素材としては世界的にも最高級素材と位置付けられています。
日本では『革の宝石』と称されています。
革としての使い方は背面をカットしてお腹部分をメインに使用するバックカットとお腹部分をカットし背中部分をメインに使用するフロントカットがあります。単純に胎(はら)ワニ、背ワニと呼ばれることもあります。
バックカットはソフトなお腹部分の風合いを楽しみ、フロントカットは背中部分のワイルド感を楽しむことができます。フロントカットは個性的で存在感はありますがデメリットとして革自体の硬さが残り、どうしても実用面への影響が出てきます。
東京クロコダイルで使用しているのはソフトでアイテムとしてお使いいただく際も実用面の高い、お腹部分を使用したバックカットと呼ばれるものになります。
加工方法としてメジャーなのは光沢のある質感のシャイニング(ツヤ)のタイプとしっとりとした質感のマット(ツヤ消し)タイプがあります。
一般的にシャイニングのタイプはとてもエレガントな風合いが魅力で結婚式などのパーティーシーンで好んで使われております。華やかさときらびやかなイメージを演出します。
マットのタイプはツヤのタイプ同等に高級ではありますがツヤのタイプと比べると普段使いにもさり気なくお使いいただけるという点でも人気です。デニムなどカジュアルな装いにもさらっと溶け込む素材感になります。
また、近年は職人の研究によりアンティーク加工やバニラ加工等新しい仕上げも開発され加工やカラーのバリエーションが増えています。
クロコダイル革は非常に希少価値が高く高価ですが爬虫類素材としては代表的なもので世界中に愛好者がいます。
製品として使用されているクロコダイルは主に以下の種類がございます。
スモールクロコダイル(イリエワニ)
鱗の配列がほかの種類のものより細かく基準が横一列の鱗の数が31~35列になることが基準になります。
模様のバランスが繊細でクロコダイルの中でも最も高い評価をされています。主に東南アジア、パプアニューギニア、オーストラリア大陸に生息しています。2016年現在、世界規模で原皮の不足状態が続いており非常に入手困難な素材になっています。学名のポロサスという呼び名もメジャーになっています。
ラージクロコダイル(ニューギニアワニ)
スモールクロコダイルと比べて鱗のバランスが大きく横の配列が24~32列とされています。
バッグやお財布になると高級皮革としてのエレガントさの中にも適度なワイルド感が醸し出されます。種類としても希少価値は高いのですが日本では古くからバッグや財布によく使われてきた種類になります。主に東南アジア、パプアニューギニアに生息しています。学名はノヴァギニアと呼ばれています。
ナイルクロコダイル(ナイルワニ)
鱗のサイズとしてはスモールクロコダイルとラージクロコダイルの中間のイメージで繊細さがあり美しく、整った鱗模様が特徴です。こちらも良質な革を手配するのに日々奔走していますが財布など小物の仕上がりのバランス、相性が良いため東京クロコダイル主力の皮革として生産に力を入れている種類になります。生息地はアフリカ大陸南部中心で養殖がおこなわれています。
いわゆるスーパーブランドでもナイルクロコダイル革をメインに扱うことが多く、ヨーロッパを中心に世界中で高い需要を誇ります。学名のニロティカスもよく使用されるようになりました。
シャムクロコダイル(シャムワニ)
主にタイで養殖されている種類で東南アジア中心に生息しています。日本への輸入量が多いクロコダイル革になります。
鱗模様はスモールクロコダイル、ナイルクロコダイルと比べるとやや大きいバランスになり裁断の工夫次第でカジュアルな雰囲気にも仕上げることができます。バッグ、ベルト、小物など幅広いアイテムに使用されています。
アリゲーター(ミシシッピワニ)
クロコダイルはクロコダイル科、アリゲーターはアリゲーター科と種類は異なります。希少性は高く皮革はクロコダイル同様とても高値で取引されています。比較的広範囲に分布しておりますが革として使用されている種類は主にアメリカ大陸に生息しているものになります。
鱗模様はクロコダイルに似ていますが一般的なクロコダイルと比べ胴の部分が長く鱗模様も長方形なのが特徴です。
カイマン
クロコダイルと比べてお腹の部分も硬くしわが強調されているのが特徴で非常に個性的な素材です。製品としては背中部分を使用することも多いのですが革が硬いため製品の裁断、縫製には高い技術を要します。主に中南米に生息しています。こちらもアリゲーター科に属しておりクロコダイルとカイマンは別の扱いとされています。カイマンはクロコダイル属の学名Crocodylusと混用して「カイマンクロコ革」や「クロコダイル革」と表示することは認められておりません。爬虫類皮革業界でも規制はされているのですがネットショップや店頭でもいまだに誤表記されている店舗がございますので注意が必要です。
オーストリッチ(ダチョウ)
天然素材の中でも、高級素材として、非常に人気の高い素材がオーストリッチ(駝鳥)革です。野性味の中にエレガンスさを秘めた風合いが好まれています。
高価で人気素材の為、この素材の型を押してまねた製品も多数出回っています。
南アフリカのクライン・カルーと呼ばれる地域ではオーストリッチ皮革に関しては世界トップクラスの供給力で世界中に高品質な革を発信しています。
オーストリッチの皮は、羽毛を抜いた後の丸みのある突起したクイルマーク(いわゆる鳥肌)が他の皮革にない、個性と存在感をかもしだしています。非常に丈夫で染めても発色も良いので高級素材としてバッグ、サイフ、ベルト等幅広く使用されています。
脚部の皮は、レッグと呼ばれ、爬虫類のようなウロコ状の模様が特徴です。
主にバッグや財布に使われています。
リザード(トカゲ)
爬虫類皮革の中でもポピュラーな素材として人気があり、独特の鱗模様は、幅広く各種の製品に活かされています。
トカゲには、独自の鱗のほか身体全体に、その種独特の斑紋・模様を有しています。製品によりこの特徴のある斑紋を活かす場合もありますが、斑紋を薬品処理により除去し、鱗のみを活かす場合もあります。これは、種類やその時々のファッションにより異なります。
製品としては模様があるものとないものがありますが革の加工法が違うだけで基本的には同じ素材になります。
革が小さい為、一つのバッグに数匹分のリザードが使われる場合もあります。
シンプルな質感が人気で幅広いファッションにコーディネートすることができます。
パイソン(ヘビ)
個性的な斑紋や鱗模様を持つヘビ革は、皮革ファッションには欠かせない素材のひとつです。爬虫類素材の中でもファッション性が高く幅広い年齢層に受け入れられています。
革の取り都合により背中を活かしたBelly Cut Type と、腹部を活かしたBack Cut Type があり、横長のウロコ部分がお腹の中心になります。
バッグ類、靴、ベルト等に幅広く利用されています。
トカゲと同様ヘビには、独自の鱗のほかにその種独特の斑紋・模様を持っています。種によって斑紋を活かしたり、需要により斑紋を薬品処理で脱色する仕上げがあります。
エレファント(象革)
エレファント革は非常に耐久性に優れ使えば使うほどに風合いが深まり独特の上品なツヤをお楽しみいただける素材となります。
また、その肌触りは、そのワイルドなイメージからは想像できないしっとりと手に馴染む優しい肌触りとなっております。またエレファント革は非常に表情が豊かな革としても知られています。
また、ワシントン条約により厳しく取引が制限されており、現在ではジンバブエの一部のエレファントのみ取引が許されている、非常に希少性の高い素材としても知られています。
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シャーク(サメ)
サメ革の表面の特徴は、頭部から尾部に向け、細かい連続した網目状に凹凸があります。
もともとは非常に硬い革なのですが特殊な薬品によって表面の硬い部分を落として残った柔らかい革を使用してバッグや小物などをつくっています。
落ち着いた雰囲気が人気で高級素材ながらさり気なくお使いいただけるのがポイントです。
商売繁盛の縁起もの素材としても有名です。
革は丈夫で傷がつきにくく水にも強い素材です。使い込むほどに手の油や摩擦によりツヤが出てきます。
スティングレー(エイ)
ビーズを敷き詰めたようなスティングレーは、非常に美しく、古来より様々な装飾工芸品に用いられてきました。スティングレ-の中心にある斑点は、一般的に「スターマーク」と呼ばれ、背中の中心に一つしかない貴重な物です。革は丈夫なのですがその為、非常に硬くバッグや小物に加工するためには特別な技術が必要です。
いろいろな染色技術が研究されておりカラフルな色彩も個性的でコーディネートのアクセントとして重宝していただけます。